出産のとき、私は「普通分娩で産むんだろう」と思っていました。
逆子でもなく、妊娠高血圧もない。まさか自分が帝王切開になるなんて、想像もしていなかったんです。
ところが実際は、突然のトラブルで緊急帝王切開が決定。気づけば手術室のベッドに横たわっていました。
術後はしばらくベッドから動けず、「あれがない、これが足りない」と困ることばかり。必要なものは急遽夫に準備してもらうことになりました。
そんな中で、「帝王切開になったらこれは絶対に必要!」と思えたグッズがいくつかあります。
- 私が入院生活を乗り切るうえで役立ったグッズ
- 緊急帝王切開後のリアルな入院スケジュール
- 経腟分娩で産めなかった悔しさと向き合う方法
について体験談をもとに紹介していきます。
【これが役立った】緊急帝王切開で急遽準備してよかったグッズ
1. 入院中の時間つぶしグッズ(タブレット、イヤホン)
術後はベッドからほとんど動けず、母子同室が始まるまで“ひとりで過ごす長い時間”があります。
私は夫にタブレットとワイヤレスイヤホンを持ってきてもらい、YouTubeやラジオを視聴。帝王切開後の経過や痛みの回復について調べるのにもタブレットは大活躍でした。
スマホよりも画面が大きいタブレットは文字や画像が見やすく、操作もスムーズなので、長時間使用しても疲れにくく感じました。イヤホンで音楽やラジオを楽しめるのも便利です。
私が使用しているものはこちら
2. 延長コード
これは本当に必須アイテム!
手術直後は動けず、翌日からの歩行練習も激痛で、ベッドからコンセントまで歩くのは困難です。
長めのコード(3~4mほど)を選ぶとベッドからでも余裕を持って使用でき、差し込み口が複数あるタイプならスマホやタブレットを同時に充電可能。
さらに、ベッドのフレームに固定できるものだと、床に落ちて取りにくくなる心配も減ります。
おすすめの延長コードはこちら
3. 授乳クッション
産院のクッションは使用感や高さが合わず、動くたびにずれて不便でした。
帝王切開後は少しの動作でもお腹に響くので、硬さがあるタイプ・サポートベルト付きでずれにくい授乳クッションが安心です。
私のおすすめは「べびくる」か「エルゴベビー」の授乳クッション。どちらもベルト付きでしっかり固定でき、へたりにくく長く使えます。
おすすめの授乳クッションはこちら
4. 帝王切開の腹部保護帯
病院支給の腹帯はずれやすく、傷口に食い込んで何度も巻き直すことに…。
「犬印本舗の帝王切開用腹帯」は2枚パネルで装着が簡単、傷にしっかりフィットしてずれにくいので歩行練習も安心です。
また、きつめに巻くことで腹部の固定力が増し、痛みが軽減される効果もあります。

【体験談】緊急帝王切開後の入院スケジュール
私の入院スケジュールは以下の通りです。緊急帝王切開後の生活をイメージしやすいように、体験談を交えて紹介します。

手術当日:絶対安静
手術後は点滴や血栓症予防のフットポンプをつけ、丸一日ベッドから動けませんでした。飲食も12時間ほど制限され、氷を少しずつ舐めて喉の渇きをしのいでいました。
体温は高く、病室の冷房を強めてもらったほど。
授乳は助産師さんが赤ちゃんを連れてきてくれ、サポートを受けながら行いました。
この日は、突然帝王切開になったことへの不安やこれからの生活への心配で、ずっと泣いていたのを覚えています。
1日目:歩行練習スタート
ベッドから立ち上がるだけでも激痛。トイレまで50メートルの往復も、30分かかりました。
腹筋に力が入らず、点滴スタンドや手すりにすがりながら、泣きそうになりつつ歩きました。
「血栓症を防ぐために歩く必要がある」と説明されましたが、痛みが辛く、つい帝王切開後の回復時期を検索してしまうほどでした。
授乳は昨日と同じく助産師さんが赤ちゃんを連れてきてくれ、サポートしてもらいました。
2日目:シャワー解禁
支えなしで歩けるようになり、初めてシャワーを浴びました。ガーゼで直接は見えませんでしたが、鏡に映る傷跡を見て少しショックもあり、「本当に産んだんだ」と実感しました。動きはまだゆっくりで、シャワーを浴びるだけでも一苦労でした。
この日からお昼は赤ちゃんと一緒に過ごし、夜は預かってもらって時間になったら連れてきてもらう生活になりました。
3日目〜7日目:母子同室スタート
この日から赤ちゃんと同じ部屋で過ごす日々が始まり、授乳やオムツ替えも自分で行うようになりました。
嬉しい反面、「ちゃんと息しているかな?」「授乳できているかな?」と不安が尽きず、夜中に何度も確認してしまい、ほとんど眠れない日も…。
しんどいときは助産師さんが夜預かってくれたのですが、当時は気が引けてあまりお願いできませんでした。今思えば「退院したら毎日寝不足が続くんだから、もっと積極的に頼ればよかった」と感じています。
体の回復は少しずつ進み、4日目あたりからはスタスタ歩けるように。
ただ、しゃがんだり赤ちゃんを抱き上げたりといった“腹筋を使う動作”はまだ痛みが強く、慎重さが必要でした。
7日目には抜糸を行い、全く痛みはなくホッと一安心。
退院後の検診予定(2週間後・1か月後)も決まり、「いよいよ退院なんだ」と実感が湧き、気持ちも前向きに。
ただ、入院生活が長引いていたこともあり「もう早く家に帰りたい!」という気持ちの方が正直強かったです(笑)。
8日目:退院
朝食後に着替えと荷物の整理を済ませ、迎えに来てくれた車で退院しました。
歩行は安定していましたが、動きすぎるとまだズキズキと痛みが走ります。
私の場合、痛みがほとんど気にならなくなったのは産後2か月頃。毎日、腹帯をしっかりきつめに巻いてお腹を支えながら過ごしていました。
【心のケア】経腟で産めなかった悔しさと向き合うには
傷跡をしっかりケアする
緊急帝王切開での出産は、どうしても「下から産めなかった悔しさ」が心に残りやすいです。
私の場合、生後半年くらいでようやくその気持ちが落ち着いてきました。
原因の一つは傷跡の赤みです。術後は目立ち、鏡を見るたびに「ああ、私は帝王切開だったんだな…」と落ち込むことも少なくありませんでした。
でも、毎日欠かさず傷跡の保護テープを貼り続けたおかげで、ケロイドにならず赤みも引き、目立たなくなったことで、心も少しずつ落ち着いていきました。
「時間と自分のケア次第で、必ず気持ちも落ち着く日が来る」――今同じ悩みを抱えている人がいるなら、無理せず、焦らず、ゆっくり過ごしてほしいと思います。

育児は頑張りすぎず、便利グッズに頼ろう
退院後の育児も、帝王切開後は思った以上に大変でした。
傷の痛みがあるうえ、夜中もなかなか眠れず、疲労で傷が痛むことも少なくありません。
そんなときは、無理に頑張らず、できるだけ楽できるグッズに頼ることが大切です。
私自身も、授乳や抱っこ、家事のサポートになるアイテムに助けられました。
「帝王切開後、体が辛いときに本当に買ってよかったアイテム」は、別記事で詳しくまとめています。

まとめ:緊急帝王切開後に揃えておきたい入院グッズ
帝王切開後の入院生活は、ベッドからほとんど動けず思った以上に大変です。
そんなときに「手元にあると安心」なのが、次の入院グッズです。
- 時間つぶしグッズ(タブレットやワイヤレスイヤホンで動画やラジオを楽しむ)
- 延長コード(ベッドからでもコンセントが使えて充電切れの心配なし)
- 授乳クッション(硬さがあり、ベルト付きでずれにくいものがおすすめ)
- 帝王切開用腹帯(傷をしっかり支え、歩行や日常動作も安心)
さらに、心のケアも大切です。術後は「経腟で産めなかった悔しさ」や傷跡の赤みで落ち込むこともありますが、時間と自分のケアで少しずつ気持ちは落ち着きます。
無理せず育児をするために、便利グッズに頼ることも忘れないでください。
帝王切開後は、何よりも「傷を治すこと」が最優先。
入院中も退院後も、便利なグッズをフル活用して、できるだけラクに過ごしましょう。